若者言葉の「ヤバい」は、実は江戸時代から存在した言葉だった
「ヤバい」は現代の言葉ではない?
美味しいものを食べた時、信じられない出来事があった時、可愛いものを見た時。 現代の日本人は、あらゆる感情を「ヤバい」というたった3文字で表現してしまいます。
「最近の若者は語彙力がない」「日本語が乱れている」と嘆く大人は多いですが、実はこの「ヤバい」という言葉、つい最近生まれた若者言葉ではなく、江戸時代から存在していた歴史ある言葉なのです。
「ヤバい」の語源は泥棒の隠語
江戸時代後期、泥棒や犯罪者の間で使われていた「隠語(仲間内だけで通じる秘密の言葉)」の中に、「厄場(やば)」という言葉がありました。
「厄(やく)」は危険や不都合なこと、「場(ば)」は場所を意味します。つまり、役人(警察)が見張っている場所や、捕まる危険性が高い場所のことを「厄場」と呼んでいました。 そこから派生して、状況が危ないこと、都合が悪いことを形容詞化して「やばい」と言うようになったと言われています。
また、牢屋の看守のことを「厄番(やくばん)」と呼んでおり、厄番が近づいてくる危険な状況を「厄番(やば)い」と言ったという説もあります。
意味の変化:「危ない」から「素晴らしい」へ
江戸時代から昭和にかけて、「ヤバい」は一貫して**「危険だ」「都合が悪い」「格好悪い」というネガティブな意味**で使われていました。
しかし、1990年代後半から2000年代にかけて、若者を中心に意味が劇的に変化します。 「凄すぎて(良い意味で)ヤバい」「美味しくてヤバい」というように、「度を超えて素晴らしい」「非常に魅力的だ」というポジティブな意味を含有するようになったのです。
言葉は時代とともに生き物のように変化していきます。「ヤバい」が江戸時代から脈々と受け継がれ、現代で最高の褒め言葉として使われていると思うと、日本語の面白さを感じずにはいられませんね。